続・海外旅行で私が実際に体験した有名詐欺!旅行者が引っかかりやすい手口とは?

<TOP画像:ライトアップされたクアラルンプールにあるペトロナスツインタワー>

詐欺、窃盗、強盗、殺人、バスジャック、誘拐、爆弾テロ......。海外では思わぬ角度から犯罪に巻き込まれる可能性が、必ずしも無いとは言えない。

だからみんな口を揃えて「海外は危ない」そう言うし、そう思っている人が多いのも事実。

筆者は2014年から旅の魅力に取り憑かれ、2021年を除き毎年海外で生活している時間が長いのだが、これまで幸い大きな被害に遭ったことはない。

もちろんかなりの注意を払っているし、そもそも遭遇しないように工夫もしている。それでも想定外の角度からの犯罪には免疫がなかったりする。

今回は以前紹介した、海外で旅行者が引っかかりやすい詐欺の手口の続編、これまた実際に遭遇した話を紹介していきたい。

>>海外旅行で私が実際に体験した有名詐欺!旅行者が引っかかりやすい手口とは?

目次

アルゼンチン、ケチャップ強盗

南米のパリと呼ばれるブエノス・アイレス
<南米のパリと呼ばれるブエノス・アイレス>

ケチャップ強盗とは

観光中、もしくはすれ違いざまにどこからかケチャップをかけられ、困っているところに「大丈夫ですか?」とティッシュやタオルを親切に貸してくれる人が現れる。

そうしてケチャップで汚れた衣服を拭くことに気を取られている隙に、ティッシュやタオルを貸してくれた人の共犯者にバックや貴重品を盗まれる。

これがケチャップ強盗と呼ばれる犯罪だ。南米でこの手の犯罪があることは聞いていた。しかし、まさか自分が遭遇するとは思わないのが旅行者の常ではないだろうか。

路上マーケットでの出来事

ブエノス・アイレスでは日曜日に路上マーケットが出る。ちょうどそんな日だった、わたしがこの街に到着した日は。

ホテルのチェックインができる時間まで暇を持て余していたので、大きな荷物だけをホテルのフロントに預けさせてもらって、カメラバッグふたつを持って出かけることにした。

よほど治安が悪いところでない限り、わたしはカメラを持ち歩いている。南米では肩からカメラをぶら下げて街を散策することは滅多にないので、バッグの中に入れて持ち歩く。

ずらっと道に並ぶ露店を冷やかして歩いた後、少し外れたところにある薄暗い路地が気になった。何が気になったのかは具体的に覚えていないが、何か撮りたい写真があったのだと思う。

わたしはカメラをバッグから出し、その薄暗い路地でほんの少しの間、写真を撮っていた。警戒心は常に怠っていないので、周りに誰もいないその場所に長居するつもりはなかった。

急に何か液体をかけられる

誰もいない路地だった。それだけに何が起こったのか、その瞬間理解することができなかった。ただ、どこからか何か液体をかけられたようだった。

「どこからかけられたんだ!?」それよりも、わたしの中の警報装置を優先してすぐさまその場を去り、大通りに出た。状況把握よりもまずは退避だ。

大通りに出ると少し落ち着けた。そこで初めて状況を飲み込んだ。カメラバッグの小さいほうに何だか分からないけれど緑色っぽい液体がかけられている。鼻を近づけるとものすごい異臭を放っていた。

何だこれは......わたしは困惑した。どこからかけられたのだ......自分がいた路地を遠くから眺めた。路地が薄暗いのは周りに高いビルが立っているからだ。考えられるとしたら、上か。

知らないおばさんにトイレットペーパーを差し出される

思惟にふけっていて、知らないおばさんが近くにいることに気がつかなかった。彼女は丸めたトイレットペーパーをわたしに差し出してきた。

「大丈夫?」親切な人だな、とは一瞬思った。

このときすでスペイン語でやり取りができたので、ありがとう......とそのトイレットペーパーを受け取ろうとしたそのとき「あ、これケチャップ強盗じゃない!?」とわたしにしては珍しく疑問が浮かんだのだ。

さっきまでいた路地を見ると一台の車が停まっている。これはまずい。警報装置が早鐘を打ち始めた。わたしは出てきたトイレットペーパーをありがとうと言いながら奪い取り、その場から逃げるように立ち去った。

しかし、停まっていた車のことを考えるとまだ足りない気がして、人混みに紛れ、さらには路線バスに乗り、その場から完全に姿を消すことにした。

得体のしれない臭い液体

どのみち、この臭いバッグと一緒ではこれ以上観光を続けられそうにないと思ったのだ。こうして何事もなく事態を回避したのだが、その何だか分からない液体は酷かった。

洗っても何しても臭いが取れないのだ。中古とは言え、まだ買ったばかりだったカメラバッグがダメになった。

これが本当にケチャップ強盗だったのか、真相は分からないが、早めに対処したことで何事も被害がなかったのだと思っている。しかしあのタイミングで、トイレットペーパーを持って現れる人がいるなんて考えられなかった...。

どうやってわたしが、臭い液体にやられているのかなんて、他人には知る由もないのだから。

マレーシアの「お金見せて」詐欺

隣接するKLCC(クアラルンプール・シティ・センター)では毎日噴水ショーが見られる
<隣接するKLCC(クアラルンプール・シティ・センター)では毎日噴水ショーが見られる>

マレーシアでなくてもいろんな国でありそうな詐欺だ。これも聞いたことはあったのだと思う。ただ、あまりにも唐突に起こると、すぐには状況把握できない。

だいたい、そもそも普段からそんなに人を疑っていたんじゃ、旅なんかできるわけないので、油断はしていないが想定内でもなかったといった感じだ。

家族連れに親しげに声をかけられる

マレーシアの首都、クアラルンプールにある有名なペトロナスツインタワーに行ったときのことだ。

わたしはどこへ行くにもだいたい徒歩で移動する。歩ける距離ならタクシーやUberなどを使うことは滅多にない。だからこのときも歩いて出かけた。ペトロナスツインタワーの夜景を撮りたかったので夕刻だった。

事は帰り道で起こった。Googleマップのガイドどおり公園を抜けていると、前から家族連れが歩いてきた。ここは公園だし、もちろん警戒するターゲットでもない。

すれ違いざまに声をかけられた。別にこれも特別なことではないし、わたしはつい話を弾ませてしまう。

会話の冒頭はありふれたものだ。「どこから来たの?」「日本だよ」「ペトロナスツインタワーに行ったのかい?」「うん、今帰り」とかそんな感じだった。

彼らは自分たちはドバイから来ていてマレーシアに住んでいると言った。正直、顔を見ても彼らが何人なのかなんてわたしには分からない。

ドバイの人かもしれないし、はたまたマレーシアの人かもしれない。別にそんなことはどうでも良かった。

彼らは次に、日本に今度行くのだと話した。わたしは素直に嬉しくなった。異国の地で会う異国の人が日本に来ようとしている。素直に嬉しいことだ。

お金を見せてくれないかと聞かれる

日本の物価は高いかという話になり、マレーシアよりは高いかなと教え、日本で米ドルは両替できるかと訊かれたので、できるよと教えた。ここまでは普通だった。

米ドルを見せてくれないかと訊いてきた。ちょっと意味が分からなかった。わたしは持っていないと答えた。すると今度は日本円を見せてくれないかと言ってきた。

わたしは本当に持っていなかったので、ないと答えたが、米ドルを見せてくれ辺りから「あれ?」と思い、さすがに日本円のところではピンときた。

これは『お金を見せてくれ詐欺』だ。要求に応え、お金を見せるとそのまま持っていかれてしまう......。

極めつけは「だったらマレーシアのお金を見せてくれ」だった。呆れた、それはないだろう。あなた方だってマレーシア在住なのだから、いったいどういう理由で外国人にマレーシアの通貨リンギットを見せろと言っているのだろう。

わたしは一気に面倒くさくなり、同時に残念な気持ちになった。こんな家族ぐるみでこんな詐欺を仕掛けようとしていることに。

詐欺に気がついたわたしがリンギットを見せることも拒むとあからさまに彼らは不機嫌になった。それがまた残念だった。わたしは「Bye」と言ってその場を後にした。

ペトロナスツインタワー

  • 住所:Petronas Twin Tower, Lower Ground (Concourse) Level, Kuala Lumpur City Centre, 50088 Kuala Lumpur, マレーシア

あとがき

海から見たブエノス・アイレス。想像以上の都会だ
<海から見たブエノス・アイレス。想像以上の都会だ>

いかがでしたか、今回のふたつの泥棒未遂。回避できているから、ただの笑い話だけれど、実際被害に遭ってはシャレにならない。とは言え、ちょっとしたハプニングは旅の醍醐味なんだと思っている。

警戒しすぎていてもつまらないし、かと言って無防備では本当に被害に遭ってしまう。こういう詐欺や泥棒の手口もあるということだけ知っておいて、海外旅行を安全に楽しんでいただけたらと思う。

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Rio

カメラ片手に世界中を旅する写真家×旅人。 毎年1月から4月の雨季、ボリビアのウユニに滞在、天空のウェディングフォトを撮影。 ウユニ塩湖でウェディングフォトの他、おひとり様からグループフォト、家族写真まで撮っています。

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